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2021.10.15

明るさの捉え方 ~数値で見る照明~

明るさの捉え方 ~数値で見る照明~

はじめに

住宅に備え付けられる照明や、懐中電灯やランタン等の明かりについて、

照明色や明るさなどを感覚的に判断することは多いと思います。

では、これらを数値的に比較する場合はどうすれば良いのでしょうか?

本日は照明に関わる単位と、その中でも住宅照明に大きく関わる

色温度と照度の関係を見ていきたいと思います。

明るさの単位って、実は色々!

明るさの単位

上図に示した通り、光の明るさに関する単位は実に様々です。

日常生活でよく耳にする単位ですと、

光束のルーメン[lm]や照度のルクス[lx]ではないでしょうか。

では、それぞれについて確認していきましょう。

光束(luminous flux) 単位:ルーメン[lm]

光源(照明など光の出どころ)から全方向に放射される単位時間あたりの光の量

照明器具や懐中電灯を選ぶ際に比較する数値かと思いますが、

全方向への光の量である為、放射方向・形状によっては必ずしも単純比較できません

 

光度(luminous intensity) 単位:カンデラ[cd]=[lm/θ]

光源から一方向に放射される光の量で、光源の光の強さを表す。

全方向への光束の内、一定角(θ)にだけ向けられたものを指します。

市販の照明器具等で光度が表記されているものは少ないです。

 

輝度(luminance) 単位:カンデラ/平方メートル[cd/㎡]=[lm/θ・㎡]

光源の発光面の輝きや、照明された物体の反射面の輝きを表す。

光度を単位面積(㎡)で割ったもので、テレビ等の画面の明るさの指標にもなります。

光源や発光面が小さいほど輝度は高くなり、眩しさを感じるようになります。

眩しさは不快感を与えるだけでなく、視機能の低下にも影響します。

 

照度(illuminance) 単位:ルクス[lx]=[lm/㎡]

単位面積あたりに降り注ぐ光束の大きさで、照射面の明るさを表す。

一般的に、光源と照射面との距離が離れるほど減少します。

輝度と違い反射光では無い為、照射面の色によっても明るさの感じ方は異なります

住宅における廊下や階段の照度は100~150 lx、勉強や読書に必要な照度は750 lxほどで、

学校の教室も読み書きを必要とする部屋には500~750 lxの照度が推奨されています。

色温度(color temperature) 単位:ケルビン[K]

物体の温度とそこから発せられる光の色を数値的に表したもの。

色温度が高いほど短波長成分(紫や青など)が多く青白く見え、

色温度が低いほど長波長成分(赤や橙など)が多く赤みを帯びて見えます。

 

演色性(color rendering properties)

物体の色の見え方に影響を与える照明光の特性。

一般的に平均演色評価数:Ra(アール・エー)として示され、

数値が高いほど(MAX:100)色の見え方の誤差が少ないとされています。

照明の演色性の高低は、実際に見える色の鮮やかさの高低に影響してきます。

照明光の種類って、どんなもの?

照明色

昼光色ダウンライト

照明色

昼光色で照らされた部屋

昼光色:色温度6,500 K程度

一般的な昼光色の蛍光ランプは、日中の北窓光と同等とされる色温度を有しています。

クールな雰囲気さわやかな雰囲気を演出する他、細かい作業が必要な部屋に向いています。

照明色

温白色ダウンライト

照明色

温白色で照らされた部屋

昼白色:色温度5,000 K程度

一般的な昼白色の蛍光ランプは、地上から見た太陽の明かりと同等の色温度で、

照明光の分類の中でも一番自然な雰囲気を演出します。

どのような部屋にも合わせやすい反面、照明としての個性は少なく感じます。

 

白色:色温度4,000 K程度

温白色:色温度3,500 K程度

 

大きな分類は昼光色・昼白色・電球色の3つですが、

上記2種類を足して5つとする場合もあります。

昼白色と電球色の間に該当し、作業性と温かみの両方をカバーします。

照明色

電球色ダウンライト

照明色

電球色で照らされた部屋

■電球色:色温度3,000 K程度

一般的な電球色の蛍光ランプは目に見えて黄み~赤みがかっていて、

落ち着いた雰囲気温かい雰囲気を演出します。

玄関や廊下、リビングや手元灯、トイレなどにも使用されます。

ちなみに、上記の例のように照明色を調色できるものも増えています。

その時々で部屋の雰囲気を変えられるので、LDKにオススメですよ(^^♪

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色温度と照度って、どう関係するの?

先述の通り、色温度が高いほど青白い照明となりますが、

この時照度が低いとどうなるでしょうか?

事務所でデスクワークする際に昼光色の照明が切れかかっていたとしたら、

薄暗い中での作業となり、とても集中できないことと思います。

 

一方で、色温度が低いほど赤みを帯びた温かい雰囲気の照明となりますが、

眩しいくらいに照度が高かったらどうでしょう?

リビング・ダイニングでの読書や食事も落ち着いた雰囲気でなくなってしまいます。

 

したがって、色温度と照度は数値的にある程度比例させる必要があります。

活動的で作業をしやすい空間には色温度:高照度:高

落ち着いたリラックスできる空間には色温度:低照度:低

※ただし、階段等安全面を考慮する場合は照度を高くしたり補助灯を使用したりします。

まとめ

・明るさの単位は様々。商品等の比較の際には単位に気を付けましょう。

→ルーメン[lm]だけでは単純比較できない場合もあります。

 

・部屋の用途に合わせた色温度の照明を選びましょう。

→まずは各照明色のイメージを理解します。基本的には照度と連動させるよう心掛けましょう。

照明を感覚だけでなく数値で見てみると、照明の合理的な選択の助けにもなります。

もちろん、照明自体のデザインや部屋全体のバランスなど、感覚的なセンスも大切です!

様々な観点から吟味した照明で、くらしを快適に彩りましょう♪

この記事を書いた人

ファイブホーム 編集者

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